○
委員長(
山越明君) 異議なしということで、可決いたしました。
次に、第83号のご質疑をどうぞ。
○
委員(清水良英君) ちょっと優生保護についてお伺いしたいんですけれども、この優生保護の第1条に、3つの点について書いてありますね。優生保護の見地からする結婚の
相談に関すること、遺伝その他優生保護上必要な知識の普及向上に関すること、受胎調節に関する適正な
方法の普及
指導に関すること。これは、女性の母体と健康、あるいは生む権利に非常に深くかかわってくるんですけど、3つの点についてどのような
相談事があって、どのように対処しているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○赤保予防課長(飯塚啓介君) 大変難しいご
質問なんですね。この法律ができた時代と現在と、情勢が違っているということもございます。優生保護法ができたのは昭和23年でして、ベビーブームの時代で、生めよふやせという時代で、この法律は、法律にはそこまで書いてないですけども、不良な子孫を残さないとか、母体の生命保護を目的とするということで、優生保護の手術を規定したり、妊娠中絶の手術を規定したり、そういうバックグラウンドがあったわけなんですね。
ご
質問のことですけども、現在この
優生保護相談所でどういうことをやっているかというご
質問かと思いますけども、看板を掲げてこれこれこういうということは、具体的にはほとんどございません。以前には避妊具を配ったりということをやっていた時代もあるそうですけども。ただ、保健婦の電話
相談の中で、受胎調整に関する
相談とか、結婚の
相談相手を決めるにあたっての
相談も、たまにあるというふうに聞いています。具体的にいいますと、例えばこういう障害が向こうの家系にあるけども大丈夫かというような
相談は、非常にまれですけども、あるというふうに聞いております。
○
委員(清水良英君) 家系の問題とか、この中には同和問題とか朝鮮人のいろいろな問題。優生保護というのは、純潔な血を守ると、そういう日本の昔からの差別から出てきているし、そのことについて優生保護を
相談し、そしてそれに対する答えをする人の態度は非常に大きいと思うんです。
今、いろいろな障害者が生まれてきて、その原因というのはほとんどわからないわけですね。いろいろな環境問題とか、大きく食品の問題とか、さまざまな問題が関与しているわけですし、それから結婚
相談にしても、恐らく男の人のほうからのものが多いと思いますけども、女性のどういうようなかかわりでこういう家系なのか、女性は妊娠した場合、どうしてこういうことをしなければならないのかと。母子保健法のときにも、サーベイランスの中で、新生児についていろいろ問題になりましたけれども、やはりこの対応が非常に難しいと思うんです。優生という言葉があるなら劣生という言葉があって、要するに優生に対してあてはまらないというような立場からこの問題を取り上げると、大変大きな過ちというか、問題があるので、その優生保護に対するどのような認識を持ってあたっていらっしゃるのか。その点についてお伺いいたします。
○赤保予防課長(飯塚啓介君) 優生という意味は、純粋に医学的な用語で使っておりまして、遺伝学的に、高率に遺伝的な病気が発症することが予測される場合、
相談に乗るということだと私は解釈しております。それ以外、法律の中には書いてございませんけど1、普通、優生といった場合はそういうことです。
ただ、
委員ご指摘のように、どんなに医学が進歩しましても、がんが治るようになっても、ある確率で奇形というか、生まれる確率があるわけですね。これは遺伝子の中に組み込まれているわけですから。ですから、さまざまな原因が関与していると言われましたけども、原因がなくても、ある確率でそういうことは起こるわけなんです。ですけども、優生上という意味は、非常に高率に予測される場合には、これこれのことを処置してもいいというふうに、優生保護法上は書いてあるわけでございまして、それに基づいて結婚
相談等に乗るということが、この
優生保護相談所の趣旨だと考えております。
○
委員(清水良英君) この問題について、今ここで論争してもあれですから、私もよく勉強してきまして、そちらもよくご研究願いたいと思います。これは単に、確率的にこういう遺伝子がずっと続いているからこういう法律ということではなくて、この優生保護法ができた時代の背景というものは、もっと裏があるはずなんです。だから、そこを語らないで、法律というのは、ちょうど社会に一般的に認識されるような形で出されていますから。だから、それにのっとって何かやると、大変危険だということなんです。そして確率といったって、いつだれが生まれてくるか、これはわからないの。だから、障害児というものは、そのお母さんの責任ではなくて社会の責任なんですよ。ずっと歴代、いろいろな原因でそういうお子さんが生まれてくる。そしてその中には、新しい時代の科学とか薬品やいろいろなことで、また新しい障害者が生まれてくる。いろいろなものがあって、これがずっと先祖代々あったからって、何百年もたどれますか。たどれないでしょう。だから優生保護というものに関しての対応の仕方というのは非常に難しいわけで、本来なら、北京女性会議の中でもいろいろ問題になったように、これは廃止すべき問題ですけれども、できたらこういうものは撤廃するようにしたいんですけれども、国会の問題ですから、ここだけでできるものではない。今の区でできる段階は、できるだけその点についての緩和な態度を要望しておくということにしておきますけど、この問題については、ぜひきちんと認識をもって対応するように
検討していただきたいということだけ申し上げておきます。要望です。
○
委員(
栗橋伸次郎君)
事業概要をどこを見ても、優生
相談事業というのはないんですよ。だから聞きようがなかったんだけどね。さっきの課長の答弁だと、ほとんどないというお話なんだけど、
相談件数が多い少ないはともかくとして、法に基づいてやられていることは事実なんだから、今度のこれはつくってしまったからしょうがないけど、来年か1
事業概要に載せるようにしてくださいよ。例え1件だろうと、やっている
事業だからさ。優生保護
事業というのは、清水
委員に聞かなければわからないけども、
保健所の
事業としては出ているわけだ。だけど、概要には出てこない。だけど、今の課長の答弁だと、実際にはやっているわけですから、そういうふうにしてくださいよ。
○赤保予防課長(飯塚啓介君) ご指摘のように、毎年これをつくっているわけですから、来年、これに基づく
事業がありました場合には、必ず載せるようにしたいと思います。
○
委員長(
山越明君) ほかにありませんか。なければ、質疑は終了いたします。
「
議案第83号
東京都港区
優生保護相談所設置条例の一部を改正する
条例」につきまして、原案どおり可決することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
委員長(
山越明君) 可決いたしました。
○
委員長(
山越明君) それでは、
請願に移らせていただきます。
「
請願7第5号
乳幼児医療費無料制度の
対象年令の拡大を求める
請願」については、継続ということでよろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○
委員長(
山越明君) 今期継続となりました。
次に、「
請願7第15号
被爆者助成に関する
請願」について上程いたします。
○
委員(
栗橋伸次郎君) 今年は被爆50周年でもありますし、港区が非核平和都市宣言を発してちょうど10年目という節目の年でありますから、この
請願は、前回継続ということであったわけですが、予算的にもわずかなものですから、皆さん方のご賛同を得て、ぜひ今期で採択されたい。
改めて理事者にお尋ねいたしますけど、昨年度の被爆者援護
事業の実施
事業例と、それから決算額はどういう状況ですか。
○
障害福祉課長(高島正幸君)
平成6年度被爆者に対する助成といたしまして、まず原爆被爆者見舞金が1人1万2,000円、これに183名の方が該当いたしました。これが219万6,000円となります。このほかに、港区原爆被爆者の会の
団体助成金といたしまして35万円。続きまして、この
団体の宿泊研修といたしまして10万円。これに伴うバスの借り上げ代金24万7,200円。合計いたしまして、289万3,200円が助成額でございます。以上です。
○
委員(
栗橋伸次郎君) その程度の額ですから。しかも、
請願で出されている内容も、いわゆる増額をしてくれということを言っているわけで、2倍、3倍にしてくれと言っているわけでもないので、ぜひこういう切なる願いに応えるべきだというふうに思うんですよ。昨日も言いましたけど、何しろ
平成6年度の民生費の不用額が7億円だから。計上した予算を不用として余らせてしまっているのが7億円ですよ。ないわけじゃないんですよ。また、民生費での食糧費は1,300万円だよ。時間があれば、全部証人をそろえているからここでしゃべってもいいけど、障害福祉課だって、はっきり言って、結構飲んで食っているよ。私だって、別に何も食糧費を全部は否定していないですよ。だけど、それにしてはやたらと牡丹が多かったりするんだよ。そういう、何か、自分たちが飲み食いをするときにはあまり痛痒を感じないけど、社会的弱者にお金を出すということになると妙に財布のひもが固くなってしまうというのは本末転倒だというふうに私は思うし、しかもこの期待に応えるにはわずかな予算で済むわけで、そういう点では、被爆者の切なる願いに我が
区民厚生
委員会は応えるべきだということで、重ねてこの
請願は採択を主張したいと思います。
○
委員長(
山越明君) ご意見は伺いました。
それでは、継続ということでご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
委員長(
山越明君) 継続されました。
(「賛成多数でね」と呼ぶ者あり)
次に、「
発案7第6号
区民厚生事業の調査について」、今期継続とさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。
(「はい」と呼ぶ者あり)
○
委員長(
山越明君) 継続されました。
その他、ございますか。
○
委員(
栗橋伸次郎君)
運営上の問題にも絡むんですけど、今期、
議案に関係して、10日に常任
委員会を開いて
施設の
説明を受けました。私は、この4月に選挙が終わってメンバーが入れ替わって、
区民厚生で言えば
新人議員、それから
区民厚生は初めての人、私は数年ぶりだしということで、10日にやったような、例えば
議案に絡む報告事項というのは、本来、もっと早くね。こっちははっきり言えば固まっているわけだから。3月に、我が
委員会に関係したものでどんな
議案が出てくるかはわかりませんけどね。
増進センターの設置
条例が出てくるという話だけは聞いたけども、それ以外にどういったものが出てくるかわかりませんけども、そういう場合に、それこそ
委員長の言葉ではないけど、効率的にということであるならば、所管だから、やはり事前に理事者が報告しておけば、いざ
議案審議のときだって、1回聞けばいいわけで、同じことを2度聞く人間もいないわけだし。だから、そういう
運営を正副のほうで図っていただきたい。
この間も
施設を見せてもらったわけなんだけど、行ったのはいいんだけど、コンクリートと鉄パイプだけ見てきたような感じで、進行状況の関係でしょうがなかったんだけども、でき上がってやっと実感が出るわけなんで、でき上がった
施設それ自体は、三田の住宅を含めて、みんな
区民が切望しているものなわけだから、我々も知らなければならないものですから、そういうものも、別に何も
定例会が始まってから見なければならないということはないんで、工事の進行状況との関係があると思いますから、時期は正副にお任せしますがね。やはりそういうことも、
委員会活動として、ひとつ、事前に頭に入れておいていただいて今後
運営していただきたい。要望です。
○
委員長(
山越明君) 同趣旨のことが、この間、
委員長会でも議長のほうから呼びかけがありまして、3日間の常任
委員会の審査は、かなりきついこともあるだろうと。同時に、マイクロバスと乗用車が5台しかない中で、4つの常任
委員会が同時に視察に行くことも、時間的に無理であろうと。できることなら、事前に視察等のことも済ませたらどうかという提案もありましたので、今の提案も含めて、今後は
委員会としてはそのように前向きに取り組んでいきたいと、正副ともに思っております。
なお、この間勉強会を開催させていただきまして、それゆえに昨日の
委員会もスムーズにいき、今日もスムーズにいったのかなと。もしかしたら、一番たくさん、11
議案あった
区民厚生が、ほかの
委員会よりも先に終了するようなことになるかもしれませんが、そういった意味では、前向きに取り組んだ結果だと、皆様のご協力のおかげだと思っておりますので、今の提案は、ぜひそのように取り組ませていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ほかにございますか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
────────────────────────────────────
○
委員長(
山越明君) なければ、以上にて
委員会を閉会させていただきます。ご協力ありがとうございました。
午後 1時55分 閉会...